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うろ覚えにして、しかし、妙な頑なさで言葉を取捨してゆくとき、表白された一節の他者性に気付く事も無く、暫くはある種の悦楽に浸れる。この非倫理的な一時が然るべくして終わり、自身の言葉は徐に還元されて、身近な、しかし決して自己のものではない「親密な表現」が残る。この親密さは距離を含んでいて、その対象との間に広がる空間を測るかぎりにおいて判るものである。心的なところで結ばれると同時に引き裂かれるこの「親密な表現」について何かを記そうとしてすぐ、再び鑑賞できたグスタボ・フォンタンの『樹』を思い出し、アテネ・フランセ文化センターで上映されたグスタボ・フォンタンの作品名を取り敢えず羅列してみたくなり、そこから時間は飛ぶが、ポレポレ東中野で毎回来場者に向かって頭を下げる堀禎一監督の端然とした姿を思い出したりもする(堀禎一監督は2017年7月18日にくも膜下出血で死去。享年47歳)。またIndieTokyo主催による『アウト・ワン 我に触れるな』の上映、山形国際ドキュメンタリー映画祭(フレディ・M・ムーラー)、広島国際映画祭(フランスシネマテーク特集、コテクール特集)などのおかげで、個人的な体験の上書きができたことを素直に喜びたくもなる。また、美術展では「カッサンドル・ポスター展」、「ヴォルス――路上から宇宙へ」、「ジャコメッティ展」、「シャガール 三次元の世界」、「単色のリズム 韓国の抽象展」などが特に印象深く記憶に刻まれている。しかしながら、こうした個人的な体験は誰かの体験と酷似し且つ決定的に違っている。自他の体験は重なり合うかにみえて剥離し、いつしか自己の志向性は消え失せて別様の喜びに満たされる。さまざまな体験とその興奮を誰かと交し合う、もしくは繰り返し独語してみることで、眼差しは不鮮明だった対象の外郭を漸く捉え始めるのではないか。
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♦映画♦(鑑賞順)
『本当の檸檬の木』(グスタボ・フォンタン)
『息の跡』(小森はるか)
『Future tense』(只石博紀)
『Future tense』(只石博紀)
『牯嶺街少年殺人事件』(エドワード・ヤン)
『アウト・ワン 我に触れるな』(ジャック・リヴェット)
『LOGAN/ローガン』(ジェームズ・マンゴールド)
『夏の娘たち』(堀禎一)
『パターソン』(ジム・ジャームッシュ)
『散歩する侵略者』(黒沢清)
『昨日からの別れ』(アレクサンダー・クルーゲ)
『エクス・リブリス ― ニューヨーク公共図書館』(フレデリック・ワイズマン)
『昔々ベイルートで』(ジョスリーン・サアブ)
『シャティーラのジュネ』(リヒャルト・ディンド)
『ツバメ号とシジュウカラ号』(アンドレ・アントワーヌ)
『24フレーム』(アッバス・キアロスタミ)
『希望のかなた』(アキ・カウリスマキ)
特別枠として、堀禎一監督の『宙ぶらりん』、『天竜区奥領家大沢 別所製茶工場』から続く天竜区シリーズ。
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♦本、雑誌、漫画♦(順不同)
『音と意味についての六章』【新装版】(ロマーン・ヤーコブソン)
『シネマの大義』(廣瀬純)
『トラベシア Vol 2』
『NOBODY ISSUE46』
『ゆらぐ玉の緒』(古井由吉)
『楽天の日々』(古井由吉)
『音楽と建築』【新訳版】(ヤニス・クセナキス/訳・高橋悠治)
『坂口安吾論』(柄谷行人)
『映画時評集成 2004-2016』(伊藤洋司)
『ルポルタージュ』【1巻~3巻】(売野機子)
『売野機子のハート・ビート』(売野機子)
番外として『アンドレ・バザン研究』。
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♦音楽♦(順不同)
『async』(坂本龍一)
『公衆道徳』(公衆道徳)
『不標準情人』(雀斑)
『エリック・サティ:新・ピアノ作品集』(高橋悠治)
『陽だまり』(ウワノソラ)
『Cuidado Madame』(アート・リンゼイ)
(キガ)『猫背』(ジョー長岡)
★番外として、私の姪による創作歌集。
★番外として、私の姪による創作歌集。
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